
06 / 08 SAFETY / 4 LEVELS
危険情報の4段は、事件の多さの順位ではない
外務省の海外安全ホームページには、国と地域ごとに4段階の目安が出ています。ただし外務省自身が、これは統計の比較ではないと書いています。4つの文と、その読み方を写します。
4つの段の、そのままの文
外務省「『危険情報』とは?」のページには、「その2:安全対策の4つの目安(カテゴリー)」として、4つの文が並んでいます。短いので、そのまま引きます。
その国・地域への渡航,滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。
その国・地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。
その国・地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。
その国・地域に滞在している方は滞在地から,安全な国・地域へ退避してください。
「必ずしも統計的な比較に基づくものではありません」
同じページの前半に、この4段の限界がはっきり書かれています。危険情報において各国・地域をレベル別に分類しているのは「危険の度合いを概念的にわかりやすく区分するための工夫」だ、と書かれています。
そして、こうも書かれています。「必ずしもある国・地域における事件や事故の発生の頻度が別の国・地域より高いといった統計的な比較に基づくものではありません」。
理由も書かれています。
海外滞在者や渡航者が想定すべき危険の類型が、政情不安、暴動、内戦、テロ、一般犯罪、自然災害といった多岐にわたり、危険の度合いもさまざまな要因に基づくため、国・地域ごとの単純な比較ができないからだ、というものです。
重要なのは、4つの目安そのものよりむしろ本文です。是非本文の最後までじっくりと読んでいただき、実際の渡航・滞在にあたっての参考として下さい。── 外務省「『危険情報』とは?」その3:危険情報の構成
つまり、レベルの数字は入口で、読むべきものは本文だと、出している側が書いています。
レベルが上がっても、ツアーが自動で中止になるわけではない
同じページには「(4)危険情報が出ても自動的に旅行会社の企画旅行が中止になることはありません」という見出しの節があります。
旅行会社は、外務省が発出する危険情報やそのレベル・内容にかかわらず、自己の責任において企画旅行の実施を判断している、と書かれています。
そのうえで外務省は、「危険情報のレベルが低いから旅行会社からキャンセル料を取られてしまう。レベルを上げて欲しい」という要望や照会が度々ある、と明かしています。
これに対しては、外務省は国民の安全(生命・身体への影響)を判断基準として危険情報を出しているもので、キャンセル料の問題をはじめ旅行契約に関する事項は旅行会社と顧客との間で解決すべき問題だ、と書かれています。
危険情報が出ていない国・地域についても、「その国・地域への渡航の危険がないことを意味するものではありません」と書かれています。
危険情報のほかに、広域情報、スポット情報、安全対策基礎データ、テロ・誘拐情勢、感染症危険情報があり、あわせて参照するよう案内されています。
知らせを受け取る側の手続きは、2つある
外務省の海外安全ホームページには、渡航の長さで入口が2つに分かれています。3ヶ月未満の渡航は「たびレジ」、3ヶ月以上の渡航は「在留届」です。
たびレジは、外務省からの最新の安全情報を日本語で受信できる海外安全情報の無料配信サービスだと、そのページに書かれています。登録する内容は、渡航国・地域、渡航期間、名前、メールアドレス、電話番号など。
渡航の予定がない人向けに「利用者登録をせずに利用する」簡易な登録もあり、こちらは情報を希望する国・地域と、メールアドレスまたはLINEアカウントだけです。
いっぽう在留届は、法律に書かれた届出です。旅券法第十六条は「旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在するものは、外務省令で定めるところにより、当該地域に係る領事官に届け出なければならない」と定めています。
任意のサービスと、法律上の義務。同じ画面に並んでいますが、性格が違います。
| たびレジ | 在留届 | |
|---|---|---|
| 対象 | 3ヶ月未満の渡航 | 外国に住所又は居所を定めて3月以上滞在する人 |
| 性格 | 外務省の無料配信サービス | 旅券法第十六条に基づく届出 |
| 届け先 | 外務省(たびレジ) | 当該地域に係る領事官 |
外務省 海外安全ホームページの入口の表示と、旅券法第十六条の条文から作った表です。
SOURCE
この頁の出どころ
引用は、法令の条文と、国の機関が公表している資料からだけ取っています。 ほかのウェブサイトの文章は使っていません。
