
05 / 08 LODGING / 180 DAYS
泊まる場所には、2つの別の法律がある
宿に泊まるとき、そこが旅館業法の許可を受けた施設なのか、住宅宿泊事業法の届出をした住宅なのかで、効いている法律が違います。見分ける手がかりは、入口に何が掲げてあるかです。
旅館業は3つに分かれている
旅館業法第二条は、旅館業を「旅館・ホテル営業、簡易宿所営業及び下宿営業」の3つと定義しています。
簡易宿所営業は「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設」を設けるもの、下宿営業は「一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて」人を宿泊させるものです。
ゲストハウスやカプセル型の宿は、多くが簡易宿所営業にあたります。
同じ条の第五項には、この法律でいう「宿泊」の定義があります。「寝具を使用して前各項の施設を利用すること」。寝具を使うかどうかが、線引きになっています。
旅館業を営むには、第三条により「都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長)の許可」が要ります。許可です。
民泊は「許可」ではなく「届出」で、年180日まで
いわゆる民泊は、住宅宿泊事業法という別の法律で動いています。同法第二条第三項が「住宅宿泊事業」を定義しています。
旅館業法の営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が、一年間で百八十日を超えないもの。それが住宅宿泊事業です。
第三条第一項は、都道府県知事に届出をした者は旅館業法第三条第一項の規定にかかわらず住宅宿泊事業を営むことができる、としています。旅館業が許可であるのに対して、こちらは届出です。
180日 / 365日
住宅宿泊事業法が上限としている日数を、1年に占める割合にしたものです。180÷365=0.4932。1年の半分に、わずかに届きません。
入口に標識があるかどうか
住宅宿泊事業法第十三条は「住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令・厚生労働省令で定める様式の標識を掲げなければならない」と定めています。
届出をした住宅には、決まった様式の標識が出ていることになります。
また第十一条は、居室の数が省令で定める数を超えるとき、または宿泊させる間に不在となるときは、住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない、としています。
家主がいない民泊には、管理を任された事業者がいる、という形です。
名簿に何を書くかは、省令に書いてある
旅館業法第六条第一項は、営業者に宿泊者名簿を備えさせ、宿泊者の氏名、住所、連絡先その他の事項を記載させています。
同条第二項は宿泊者の側の義務で、「宿泊者は、営業者から請求があつたときは、前項に規定する事項を告げなければならない」。
書く中身の細かい部分は、旅館業法施行規則第四条の二にあります。
厚生労働省令で定める事項は、宿泊者の氏名、住所及び連絡先のほか、「宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号」「その他都道府県知事が必要と認める事項」。
名簿は正確な記載を確保するための措置を講じた上で作成し、作成の日から三年間保存するものとする、とも書かれています。
| 旅館業法の施設 | 住宅宿泊事業法の住宅 | |
|---|---|---|
| 手続き | 都道府県知事等の許可 | 都道府県知事への届出 |
| 日数の上限 | なし | 1年間で180日を超えない |
| 入口の掲示 | — | 定められた様式の標識 |
| 宿泊者名簿 | 備える義務あり(3年間保存) | 備える義務あり |
| 種別 | 旅館・ホテル/簡易宿所/下宿 | — |
旅館業法、旅館業法施行規則、住宅宿泊事業法の条文から、比べられる項目だけを抜き出した表です。「—」は、その法律にその区分が置かれていないことを表します。
断れる場合は、法律に列挙されている
旅館業法第五条第一項は「営業者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない」と書き、4つの場合を挙げています。特定感染症の患者等であるとき。
賭博その他の違法行為又は風紀を乱す行為をするおそれがあると認められるとき。
負担が過重であって他の宿泊者へのサービス提供を著しく阻害するおそれのある要求として厚生労働省令で定めるものを繰り返したとき。宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例で定める事由があるとき。
同条第二項は、営業者に2つのことを求めています。「旅館業の公共性を踏まえ、かつ、宿泊しようとする者の状況等に配慮して、みだりに宿泊を拒むことがないようにする」こと。
そして拒む場合には、客観的な事実に基づいて判断すること。求めに応じて、その理由を丁寧に説明することができるようにすること。
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引用は、法令の条文と、国の機関が公表している資料からだけ取っています。 ほかのウェブサイトの文章は使っていません。
